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  • 2012.06.06 Wednesday
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  • by スポンサードリンク

日米電源事情 〜損して得取れ?〜

 10月14日に世界同時発売されたアップル社のiPhone4Sは創業者のスティーブ・ジョブズ氏が今月亡くなったことも受けて、世界で400万台を売り上げる(日本でも100万台と報道)という大人気です。
iPhone 4Sは3日で400万台販売、iPhone 4の2倍以上(日本経済新聞)

iPhone4S
米アップル社のウェブサイトより

日本でもソフトバンクに加えてAUから発売され、日本全体でiPhoneのようなスマートフォン(多機能携帯端末)が大ブームになっています。アプリが使えたり、ソーシャルゲームができたり、動画が見れたりと充実した機能が売りですが、頭が痛いのは充電。私のように出張が多い人間は昔からモバイラーと呼ばれていましたが、携行する端末がどんどん増えていくので一緒に充電器なども増え荷物がどんどんかさばっていくのに悩むことがあります。

例えば、私の場合、下記のようなものを毎回持ち歩くことになります。
米国用携帯電話x2
日本用携帯電話
ノートPC
電子書籍端末(Kindleなど)
WiMAX端末(国内接続用)
(子供と旅行する際にはこれ以外にもMP3プレイヤーや携帯ゲーム機なんかも増えます)

インターネットは世の中を便利にしましたが、それと同時に人々は電気がないと日常生活に支障をきたすようになってしまったというのは何とも皮肉なものです。
特に飛行機に乗るような長距離の出張では、待ち時間を持て余すこともあり、その間に仕事ができないことはビジネスマンにとっては死活問題。空港のラウンジが利用できるようなステータスをもっている方はいいですが、そうじゃない方はゲート付近で電源を探します。

そんな現象に目をつけたのが韓国のサムスン電子。今や米国の空港では下記のような充電スタンドがあちこちに配置してあり、旅行者を助けています。サムスン側は電源を提供することで広告スペースを獲得しており、利用者、空港、そして広告主側の三方にメリットがあるようになっています。


充電器に群がる利用者


新製品のディスプレイとしても活躍 認知度向上?

日本では震災の影響もあり、節電モードが続いているのでこのような企業活動はネガティブな印象を生むかも知れませんが、個人の消費電力がインターネットと携帯端末の増加によってどんどん増えていっているのは日本でもアメリカでも変わりありません。
最近は不況で消費が増えこんでいるのですが、トヨタのハイブリッド車が世界的大成功を収めていたり、太陽電池が注目を集めているように、電気関連のグッズでは新製品がたくさんでてきています。

ケーブルではなく、マットの上に置くだけで充電できるPOWERMAT製品もよく売れています。

置くだけ充電

この視点で日米の街並みを眺める時に感じる大きな違いは喫茶店での電力事情です。
アメリカ最大手のスターバックスコーヒーでは、学生やフリーランスの方が勉強や仕事の場として利用することを熟知していて、積極的にそれをサポートしています。具体的には、無料でWiFi(無線インターネット)を供給したり、作業しやすいテーブルを増やしたり、可能な限り電力を供給できるようにコンセントの数を増やしたりという感じです。ソファー席のところには足元にコンセントが配置してあり、遠くからケーブルを引き回すことで他のお客さんがつまづいたりするトラブルを防ぐような配慮もなされているのには驚きです。しかし、最近は不況のせいで、ホームレスが席を陣取ってインターネットに興じるという風景を見ることもあり、無制限な利用が本当にいいものかどうかと考えることもあります。


スターバックスは弱者の味方!?

一方日本では、回転を重視するということもあり電気をお客さんに使わせることはまだまだ奨励されていないようです。もちろん日本の都会での生活は忙しいものなので、訪問客もそんなに時間を過ごせないと思うし、混雑時には他のお客さんの邪魔にもなってしまうので、工夫がいるとは思いますが、スマートフォンや電子端末の普及と電力に、ちょっとしたビジネスチャンスが潜んでいるのかも知れませんね。最近では東海道新幹線「のぞみ」で座席の横に電源がついていたり、インターネットサービスを始めたりと工夫をしているのは米スターバックスの姿勢に通じるのかも知れません。

「損して得取れ」という戦略が通用するところがあるような気がします。






アメリカでのメガネ購入事情

子供の頃から「本の虫」と呼ばれるくらい本を読むのが大好きでした。
そのせいかどうか、視力が中学生くらいからどんどん下がりました。家の中ではあまり苦労せず、むしろ本を読む時なんかは都合がいいくらいの近視なのですが、車の運転が欠かせないロサンゼルスではさすがに外出時にメガネがないと困ります。

私は仕事柄アメリカと日本をよく往復するのですが、ある時出張からの帰国間際にこの大事なメガネが壊れてしまいました。何とかテープで止めていたのですが、さすがに格好悪いので何とかしないとと思っていたら空港にメガネ屋さんがあり、急ぎで15分ほどでメガネを新調することができてビックリしました。

ご存知のように日本や韓国では格安メガネ店が多くあります。セットで5000円以下、しかもその日のうちの受け取りが当たり前になっています。しかし、アメリカでメガネを買うのはそうそう簡単なことではないことをご存じでしょうか。

先日も新たに日本でメガネを新調したのですが、日本の大手チェーン店では過去の処方箋などを保存しており、望めばそのままの処方箋で短時間に作成してもらえるというのにも驚きました。

アメリカではメガネ屋大手チェーンに Lens Crafters(レンズ・クラフターズ)が有名ですが、それ以外にもウォルマートやターゲットなどの大手スーパーやCostco(コストコ)のような会員制ディスカウントクラブでも購入できます。もちろんショッピングモールにいけば、大小の個別のメガネ屋さんもたくさんあります。


WALMART内のメガネ屋


中でも Costco の メガネ屋 さんは有名です。では何が難しいかというと、システムの違いです。アメリカではメガネ屋さんには通常 Optometrist(検眼士)という方がそれぞれのお店で働いています。彼らは視力検査だけをする人で、Ophthalmologist (眼科医)とは異なり薬の処方、手術などはできません。メガネを購入する度には毎回この検眼士の検査がひつようになります。(また、アメリカと日本では視力の度数表示方式が違うのも難点だったりします)


Optometrist の看板 メガネの視力検査は58ドルとなっている


メガネはそれほど頻繁に購入するものではありませんし、買う店が同じとは限りませんから結果的にほぼ毎回視力検査を受けることになります。この検査には大体30〜45分ほどかかります。ところが大抵のお店にはこの検眼士が一人しか常勤していません。なので、一日に検査できる人が限られており、事前にアポイントメントを入れることが必要となります。

先ほど挙げた Costco で売られているメガネは安くて質が良いと評判ですが、それだけにお客さんも多く、この検眼士とのアポを取るのに2週間から1ヶ月かかってしまうという状況があります。しかも、せっかく検査を受けても、そこで気に入ったメガネとフレームを見つけて注文してから出来上がる前にまた1週間から2週間かかってしまうこともあります。

メガネの価格も日本よりは遙かに高く、レンズ、フレーム、色、などを調整しているといつの間にか検査費も含めて数百ドルになってしまうこともしばしば。アメリカの企業ではベネフィットといって医療保険などの福利厚生プランを社員に提供しますが、その中にビジョンという視力関連のプランも含まれています。このような保険をもっている人はいいですが、そうでなければ負担が大きくなり、買うことをついついためらう人も多いのではないでしょうか。

数千円でしかも簡単に購入できる日本や韓国のメガネ屋さんをうらやましいと思っているアメリカ在住のアジア人は多いに違いありません。もちろん法的規制などもあるのでしょうが、一つのビジネスチャンスのように見えることがしばしばです。

アメリカのDIY(Do It Yourself)文化

今ではノートPCやDELL社製のパソコンの隆盛でやや廃れてしまった感がありますが、 日本でも一昔前に秋葉原の「自作」PC文化というのが流行したのを覚えている方も多いかと思います。この自作はアメリカの「DIY」(Do it yourself)という言葉を和訳したものです。

一般的にはパソコンはヤマダ電機やヨドバシカメラといった大手の家電量販店ですでに出来上がっているものを購入しますが、秋葉原のマニアはそうではなく、マザーボードやビデオカード、CPUクーラーに電源といったパーツを個別に買ってきて自分たちで組み立てます。自動車マニアの方でも同じように「カスタマイズ」をする方は多いと思いますが、さすがに自分で車そのものを組み立てるということはしません。パソコンそのものを組み立てるということは普通の人からすると想像もつきませんよね。

日本人と比較するとアメリカ人はこの「自作」が大好きなようです。それはやはり「個性」を重んじる風潮が影響しているのだと思います。

例えば、ファミリーレストランでの朝食の風景でも老夫婦が朝食のメニューにあれやこれやと注文をつけるのを見て驚いたことがあります。やれ卵はこういう風にして欲しいとか、ベーコンは要らないから違うのに替えてくれとか、サラダにはこれが必要ないとか。。。アメリカのチップの風習というのはこういう厄介な対応をすることに対する報酬なのかも知れませんね。

このDIY文化での代表的なものはアメリカ人にとって最も重要なものの一つであるマイホームです。日本のそれに比べるとアメリカの家屋の造りは質素というか短調で簡易的なものに見えます。しかし、それは逆にいうと実際に住む住人が簡単に改造できるようにという思惑があるということも言えます。費用節約のために大工さんに頼まず、住人がちょっとした改修するという光景もよく見かけます。
このような文化は必然的に商業的な需要をもたらします。そこでみんなが利用するお店の代表的なものが「HOME DEPOT」(ホーム・デポ)です。バカでかい敷地に所狭しと工具やらネジやら、あるいはフローリングにカーテン、照明や植物に肥料にいたるまで、ありとあらゆるものが置いてあります。もちろん、一般人だけではなく、大工さんたちも訪れます。

HOMEDEPOT店内
ホームデポの店内にはところ狭しとDIYホーム用の製品が並ぶ

これを見るたびに本当にアメリカ人はDIYが好きなのだなぁと思っているのですが、これは飲食店でも同じようなものがあります。日本にも進出しておなじみのサブウェイではサンドイッチのパンや具、調味料を自由にカスタマイズして自分向けの一品を作ることができます。

最近アメリカで流行り始めているのがカスタムバーガー屋さんの「COUNTER」です。このお店では、なんとハンバーガーをかなり細かく注文して自分だけのハンバーガーを作ることができるのです。もちろんお客さんは注文するだけで、実際に作るのはお店の人なのですがここにもDIYを好む風景が感じられますね。(そういう点では実際に自分でつくるお好み焼きはアメリカで流行る可能性があるのかも知れません。自分で調理したいかどうかは別ですが)このお店の売りはそれだけだはなく、素材にもあります。

COUNTER 店舗
COUNTERの店舗 (カリフォルニア州 スタジオシティ)

COUNTER
オーダーシート 細かいメニューでお好みのハンバーガーを!

COUNTERは西海岸発。まずカリフォルニアに20店舗以上、それからコネチカット、フロリダ、ハワイ、テキサス、そしてニューヨークと東海岸にもどんどん展開しています。海外ではアイルランドに二店舗オープンしました。

COUNTER
出来上がり例 見事ですね

このような文化はヨーロッパではまた少し違うように思いますが、アメリカに進出することを検討されている企業の方には知っておいて頂きたい文化です。実際に海外にビジネスを持ち込む際には現地の文化や風習に合わせて製品やサービスを「カスタマイズ」することをお忘れなく!


米国進出の際のビザ取得について

 日本から米国に企業が進出する際に、どこでも悩むのが人材雇用の問題です。
今回は海外の人材雇用でいつもつきまとうビザの問題について、アメリカの事情をお伝えしたいと思います。

米国(あるいは北米)に進出しようとしているのですから、もちろん現地の人材を雇用しながらビジネスを進めていくことになります。ビジネスに人の問題がつきまとうことは周知のことですが、やはり海外に初めて進出する際に文化や言語の異なる現地人を雇うことはなかなか難易度の高いことです。

結果的に、多くの場合日本の社長、あるいは英語のできる人材(このパターンが多い)か、海外営業に特化して国内で採用された人材を責任者として海外の新拠点に責任者として派遣することが度々あります。

しかし、米国で外国人が就労するためにはビザ(査証)が必要になります。このビザ申請は企業単位で行うのですが、ビザによってはアメリカでまずビジネスをそれなりに回すことが要求されます。しかし、営業責任者が不在の環境では売上を上げるというのも難しく、まさに「にわとりと卵」の状況が起こることがよくあります。

下記にアメリカで用いられる就労用ビザの代表的なものを紹介します。

H-1Bビザ 専門職に従事する人材のためのビザ(要大卒)
E-1ビザ 米国と通商条約を結んでいる国の貿易業者用ビザ
E-2ビザ 米国と通商条約を結んでいる国の投資家用ビザ
L-1ビザ 多国籍企業の派遣社員(大企業向き)
B-1ビザ 商用あるいは韓国を目的とした短期滞在者

H-1ビザ (専門職用ビザ)
一般的にアメリカで働くために利用されるビザはH-1ビザと呼ばれるものです。
しかし、このビザの取得には大卒の資格が必要とされ、職種と専攻がマッチしている可能性があります。留学生が現地でそのまま就職する場合には、このビザがよく用いられますがこれは日本から派遣される人材にはあまり適していません。(就労開始時期が10月1日と決められていることなど、制約もあります)

E-1とE-2ビザ 通商ビザ(貿易業者/投資家ビザ)
一方E-1ビザとE-2ビザは「ミニ永住権」と言われるほど優遇されたビザで有名です。一般的に5年発給され、企業が存続する限りはほぼ無期限に更新できます。(会社の情報などを定期的に当局に対して更新する必要があります)E-1ビザは日米の会社間で米国子会社の仕入れの50%以上の取引が発生することが前提とされますので、製造メーカーなどが米国に販売拠点を利用する際などに便利です。
一方E-2ビザはそのような制限がないので、サービス業やその他の業種の会社に用いることができます。一般的には投資に対するガイドラインが儲けられており、ビザを申請する際に米国拠点がそれなりに立ち上げられ、商流が確立されお金がそれなりに流れていることが前提条件となります。また、E-1もE-2も基本的には管理職の人材に対して発給されるビザであることも留意しておく必要があります。

L-1ビザ (多国籍企業駐在員ビザ)
L-1ビザは、別名Intra-company Transferee Visa と呼ばれ、主に大きな規模でビジネスを世界に展開している多国籍企業が、米国内の子会社、親会社或いは傍系会社に経営管理者や特殊知識を有する社員を派遣する際に利用されるビザです。また、Eビザと異なる点が、このビザは「駐在員」のためのビザであることです。ビザの対象となる社員は申請直前の3年間のうち最低1年間は、派遣される元の(日本)企業あるいはその関連企業の従業員として、役員・管理職あるいは特殊知識職のいずれかとして雇用されている必要があります。

B-1ビザ (短期商用ビザ)
B-1ビザは、出張や会議への出席など、ビジネスの立ち上げを主目的として、短期間、米国を訪問する者に発給されるビザです。(ちなみに現在、日本人が米国を90日以内の短期間訪問する場合は、一部の例外を除いて、特別にビザの申請をする必要はありません)
このビザでは毎回最長六ヶ月間しか滞在することができないのでご注意ください。

上記以外にも永住権(通称グリーンカード)申請という方法もあります。米国に永住を希望する者も多いので、企業の永住権スポンサーは雇用者に対するインセンティブにつながることもあります。ビザの申請には予想外に時間がかかることもありますので、申請前に事業プランを立ち上げる際にある程度中に盛り込んでおくことが重要です。なぜなら派遣する予定の代表者のビザの発給が遅れることで、事業展開そのものが遅れてしまうということも十分にありうるからです。手続きを誤り、ビザの発給が拒否されたりすると遅延するだけでなく、費用面でもロスが増えてしまいます。

アメリカではビザ以外にも人事面でも日本と大きく異なる点があり、注意が必要です。これらの点については、また機会を改めてブログでお話ししていきたいと思います。

*このブログは法律的な助言をするものではありません。実際のビザ申請の際には信頼のおける移民弁護士を通してご相談の上、申請手続きをされることをお薦めいたします。


アメリカの書店事情 業界二位でも倒産!

 全米第二位の規模を誇った書店チェーン、Borders (ボーダーズ)Group は米国時間2011年2月16日、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用をニューヨークの裁判所に申請しました。負債総額は12億9000万ドルに上ります。もはや時代遅れの感のある大手書店が倒産したというニュースは、多くのアメリカ人にとってそれほど想定外ではなかったでしょうが、それでもやはり全国に500店舗を有していた、それも「本屋」という古典的で硬いイメージのある業界の大手にまで不況の波が押し寄せているのをひしひしと感じた方は多かったと思います。

実はボーダーズを襲った波は不況の波だけではありませんでした。2006年に倒産した音楽業界の古豪タワーレコードの例に漏れず、出版業界においても「電子化」という波への対応を余儀なくされていたのです。ここでの電子化の最初の波はオンライン書店「アマゾン」が作った波でした。アメリカには書店はそれほど多くなく、車でそれなりの距離を移動しなければなりません。また日本の本に比べてアメリカの本は大きくて、紙の質もあまりよくありません。それを当時勃興していたインターネットを使って全米中に販売するという手法で、多くの人々にオンラインショッピングを体験させ、その素晴らしさを実感させるに至りました。

そして、ここ数年アメリカを賑わしている「電子ブック」の波もまた、このアマゾンという画期的な会社が創り上げた「Kindle(キンドル)」という電子ブックリーダー端末とその端末用に作られたKindle Store(キンドルストア)という電子ブックストアの影響によるものでした。

全米第一位の書店チェーンといえばBarns&Nobles(バーンズ&ノーブルズ)です。実はボーダーズが倒産するきっかけは2つありました。一つはB&Nがキンドルに対抗して果敢にも自社ブランドの電子ブックリーダー「Nook」を製造したことです。ボーダーズは、これに対して自社端末を開発するというリスクを犯さず、別の方法を選びました。独自開発ではなくKoboというAndoroid ベースの格安端末を販促するようにしたのです。このリーダーは現在は99ドルで売られ、端末の低価格化を加速させました。しかし、それは結局大きな回復策には成り得ませんでした。一方アマゾンは独自路線で、コンテンツを増やし、質が高くて割安な端末を市場に徐々に供給し続けました。

もう一つの大きな動きは昨年末におきました。実はボーダーズはB&Nに対して買収交渉をもちかけたというのです。北米のみならず世界中で新聞社もこの電子化に苦戦を強いられているビジネスですが、アメリカでもご多分にもれずインターネットと電子化の波は大手新聞社の収益に大きな影響を及ぼしています。売上の縮小に苦しんでいたボーダーズは外資系企業と提携して逆に業界一位のB&Nを買収して生き延びようと考えました。しかし、これは結果的には大失敗に終わります。一方B&NはNook(ヌック)という独自の電子ブックリーダーを出して果敢にアマゾンを追随します。当初は不評でしたが、意外によくできたリーダーで最近では市場での評価も高いようです。

だだっ広い店内には椅子も配置
店内に設置された電子ブックリーダー用ストア カバーなどのアクセサリーも

「インターネットと電子出版の波に出版業界が勝てなかった」
一般的にはこのような見方がされていると思いますが、日本とアメリカを行ったり来たりしている私には、また違う構図が見えてきます。日本では電子出版は遅れているのですが、正直日本、特に首都圏から書店が無くなるとは到底考えられないのです。というのも、社会人の大半は公共交通機関で通勤しており、その通り道に書店が都合よく配置されているからです。そして、日米の書店を比較してみて明らかなのはアメリカの書店のフロア面積と蔵書数の比率が日本に比べてはるかに低いということです。

子供向けコーナー 読み聞かせも
子供向けコーナーの様子

アメリカの書店にはスターバックスなどの喫茶店が入っており、顧客は本を買わずとも立ち読みならぬ「座り読み」をすることができるほどです。学生が勉強のために長居することも少なくないですし、子供たちが床に座って(最近北米でも流行している)マンガを読み続けているという光景を見ることも少なくありません。またアメリカの本屋では日本の委託と異なる買取制度や再販制度に守られないためのディスカウント合戦などが繰り広げられていて、本を書く方も、出す方も、また売る方も儲からないという構図になってしまっていたのです。

CD&DVDコーナー
CD&DVD販売コーナー

実は書店を潰したのは電子化の波、ではなくて、「効率化の波」だったのではないでしょうか。めまぐるしく進化するビジネスの潮流の中で書店はインターネットや電子出版を捉えた上で自身のビジネスモデルを見つめ直す機会を与えられているだけなのかも知れません。しかし、そういう考え方をもとうとすれば自らが生まれ育った文化とは違う視点をもつことも重要だと思う今日この頃、私は密かに日本の企業が倒産の危機にある全米大手の書店チェーンを買収して、一気に自社ブランドを広く浸透させるために数百店舗という立地を有効活用するということを夢見ていました。もちろん、フロアプランについても大きく見つめ直し、例えば携帯ショップやゲーム、アクセサリに飲食など総合的に採算の上がるビジネスプロデュースを仕掛ける必要もありますが、それができるのは案外本に親しむ文化をもった教育水準の高い日本人なのかも知れません。


温故知新 〜 日本の強みを再発見してビジネスに活かす方法

 私は仕事柄毎年日本とアメリカを年に7〜8回往復します。その際に、日本人としての視点とアメリカ在住者の視点で、それぞれ別の国を眺めるように心がけています。単純で当然なことなのですが、海外生活が長くなると逆に日本人の視点を失うことがあります。これではビジネスチャンスを逃すことになりかねません。言うまでもなくビジネスの基本は「ニッチ」を探すことです。なので、日本に出張している期間は私にとっても新しいビジネスチャンスを発見する貴重な時間なのです。

興味深いことに、海外在住経験が長くなってきている私が感動するような日本独自の技術や特有の文化というのは意外と国内では理解されていません。日本ではそれが当たり前なのだから仕方がないとも言えるのですが、ここに何となく日本の企業が海外進出に成功できない、あるいは積極的でない理由があるような気がしてなりません。

ところで私が日本の空港に着いて、毎回することがありますが、それが何かお分かりでしょうか?
それは、ごく簡単なことで、毎回空港の自動販売機で飲み物を買って飲むことなのです。それは同じ飲み物であることもありますし、違う場合もあります。好奇心旺盛な私は毎回自動販売機に並ぶ新製品を試してみたくてしょうがなくなります。喉が乾いているという理由以上に、この新製品探求への欲求がこの行為を率先していると言っても差し支えないでしょう。

それほど日本の自動販売機文化というのは成熟していると思います。一方、アメリカでは飲料水などの従来型の自動販売機自体がどんどん減ってきています。最大の理由は不況だと思います。つまり、治安や防犯上の問題です。日本からの来客がある時に、よく驚かれるのですがアメリカでは自動販売機の多くが厳重な檻の中に入っています。そして、機械も古臭いもので故障していることもしょっちゅうです。(公衆電話などもひどいもんでしたが、こちらに関しては携帯電話の普及からか、最近はほとんど姿を見なくなってしまいました。もちろん日本でも同じですね)

                         アメリカの自動販売機


最近では駐車場のコインメーターなんかでもカードが使えるようになってきたアメリカですが、自動販売機については電子マネー化が進むというよりは減少の一途にあるようです。もっとも、ロサンゼルスでは一般的に人々は車で移動しますし、いたるところにウォルマートのようなスーパーやマクドナルドなどのファーストフード店があり、飲み物は安く手に入りますのでそもそもの需要が少ないのかも知れません。(ところで、アメリカのファーストフード店では一般的にソーダは飲み放題なのに驚かれる方が多いです)

日本はもともとロボット文化に秀でていると言われています。日本人の指の細かさや、改善運動に見られる品質への徹底的なこだわりは、まさにこのロボットに活かされるということでしょう。自動販売機もある意味ロボットみたいなものですから、歩行者の多い日本で自動販売機が流行るのは頷けます。

今回私が日本を訪れて何より一番驚いたのは、最近試験的に導入され始めた全液晶型の自動販売機です。東京近郊ではそれなりの数が導入されているようですが、地方の方はご存じない方も多いのではないでしょうか。この自動販売機が前に立った人の顔を認識して、それに応じて製品を推薦するということを聞いた時には、流行りものに敏感な私も「ここまで来たか!」と唸らされてしまいました。

                       液晶搭載自動販売機


この自動販売機、外国人観光客がびっくりする光景をよく見たのですが、日本人である私が驚くのですから、彼らが驚くのもまったく自然なことだと思います。正直、消費電力とスペースに少し疑問を感じなくもないのですが、その辺りも精緻に計算されてできているのでしょう。

これに対して、最近アメリカで浸透しつつある新型の自動販売機は下記のようなもので主に空港で設置されています。確かに空港ではさすがに自動販売機を盗まれたり、破壊されたりする可能性はかなり低くなりますよね。

                       BEST BUY


どうでしょう、何かビジネスの芽を感じ取ることができましたか?ビジネスに重要な、「比較」という視点をうまく活かすには、自身の偏見を取っ払うことが重要な場合が多いと私も常々考えるようにしています。時にはそのヒントは古いものの中に潜んでいることもありますよね。

アップルが時価総額1位の企業に!

 2011年8月10日は多くの人にとって、記念すべき一日となりました。そう言ってもピンと来ない方が多いと思いでしょう。これは何の日かというと、ニューヨーク証券取引所の終値において、スティーブ・ジョブズ率いるアップルの時価総額が株価で石油会社最大手のエクソン・モービルを抜いて、一位になった日なのです。まさにその栄華の極みにあると言えるでしょう。

ちなみに同日の終値をベースにした時価総額上位5社は下記のようなものです。

1位   Apple 3363億ドル
2位   Exxon 3351億ドル
3位   PetroChina 2189億ドル
4位   Microsoft 2041億ドル
5位   IBM 1969億ドル

現在は円高傾向にありますので、1ドルを80円と換算してみても、アップルの時価総額は実に27兆円となります。これはざっくりと計算して、東証での時価総額ランキング上位5社分(トヨタ、NTTドコモ、NTT、キヤノン、三菱UFJ)にほぼ匹敵する金額*です。
*2011年8月29日時点での金額

以前はWindows OSという画期的なソフトを開発して世界にパーソナル・コンピュータを普及させるのに尽力したマイクロソフトが同じように隆盛を誇っていましたが、現在はアップルがそれを上回る規模の成功を見せています。株価を見ても、両者の間は大きく開いてきています。10年前に誰がこのような事態を予見できたでしょうか。

しかも、二位に甘んじたエクソンモービル社の業績も決して悪くはないのです。同社の前年度の売上は前年比21%増の3830億ドルで、営業利益は400億ドルに上ります。一方 躍進を続けるアップルの業績もうなぎのぼりで売上は対前年比63%増の760億ドルを達成し、営業利益も210億ドルと非の打ち所がありません。
この二社を比較するとアップルはエクソンモービルに比べ、売上伸長率が3倍あり、営業利益の対売上比率もはるかに高いということが分かりますので、これらが高く評価されたと思われます。株価は最高値で400ドルを超えましたが、以前スティーブ・ジョブズが病気による療養を発表した際には90ドルを割り込むところまで下がっていたことを考えると、驚異的な成長率です。

                                          Steve Jobs


ところが、またしても市場はアップルに驚かされることになります。これまでアップルのモノづくり、そしてビジョンを牽引してきたスティーブ・ジョブズがCEOから退き、会長に就任することを発表したのです。この発表は8月24日に行われ、市場を震撼させました。これが原因で、アップルの株価は少し乱高下を続けています。ジョブズ亡き後のアップルに対しての評価が分かれるということでしょうが、後任のティム・クックを後押しすることは間違いなく、これといったライバルがいない今のアップルの天下はもうしばらく続きそうです。

このようなアップルの大躍進を支えてきたスティーブ・ジョブズの経営方針やビジョンから多くの経営者がいろんなことを学び取ろうとしています。アップルは何度も破綻の危機に瀕した会社であることをご存知の方は多いと思います。マイクロソフトのWindowsが市場を謳歌していた時、アップルOSはニッチに過ぎませんでした。しかし、iPod という画期的な音楽プレイヤーで一世を風靡してからのアップルは、インターネットを通じてハードとソフトを融合して独自のプラットフォームを築きあげる独自の「垂直統合」戦略を推進してきました。当時は誰もアップルの、いやジョブズの野心には気づきもしなかったでしょう。

それが具体的なものとなったのは、マックブックの次に続いたiPhone(アイフォーン)だったことは歴史が証明しています。そして、この波は今や日本にも空前のスマートフォンブームとして流れてきており、日本はこれまでのような「ガラパゴス携帯(ガラケー)」から脱しつつあります。アップルはさらに、その波に追い打ちをかけるように、iPad という画期的なタブレット型端末も発表したのもご存知の通りです。まるでアップルの動きを世界が追いかけているかのようです。

                                iPhone & iPad
    



グローバル経済の波はインターネットによって大きく加速され、今や国内市場も世界市場と密接に関わってくるようになってきました。波に飲み込まれないようにするだけでも精一杯という企業が多いと思いますが、うまく波を乗りこなすためには、常に世界の市場に目を向けておく必要がありますが、この中でやはり米国を含めた北米市場は見逃せません。

例えばインターネットの世界では日本にもフェイスブックという世界最大手のSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)が浸透してきているところですが、これもアメリカの若き起業家によるものです。世界の市場の中でもトレンドセッターとして北米が占める役割というのはまだまだ大きいものだということがよく分かります。北米の企業と起業家精神、テクノロジーの趨勢にアンテナを向け続けながら、人口の多いアジアの動向をうまく見極めることが今後の世界市場を把握していく上で重要なのではないでしょうか。







ロサンゼルスで激化するラーメン戦争、次はお好み焼き屋さん?

SUSHI、TOFU、SAKE、 日本を支えてきた食文化が健康食、あるいは美食として世界で高い評価を得ていることはこれらの英単語が一般的なものとして認知されていることからも伺えます。SUSHIブームはハリウッドのセレブたちの間でヘルシーだとして話題になったことがブームの火付け役になったと言われています。

SUSHIブームはその後かなり浸透してきて、最近ではWHOLE FOODSなどの高級オーガニック食料品店でもパック入りの寿司が販売されるようになってきました。巷にもSUSHI の看板を出したレストランが多く溢れていますが、その多くは韓国人や中国人によって経営されているお店であり、肝心の日本人が経営しているお店はまだまだ全体的には少なく、プレミアム感があります。

アメリカの中でも特に日本人や日系人が多いロサンゼルスでは、このような食のトレンドが全米一早い感じがします。最近のトレンドはずばりラーメンです。トヨタやホンダ、全日空といった日系大企業の本社が密集するトーランス、そのお隣のガーデナ市などを含むLA群南方の地域は俗にサウスベイと呼ばれ、最近では多くのラーメン屋がひしめきあい、さながらラーメン戦争の様相を呈しています。



中には中村屋のように日本でも有名な店舗が進出してきていることもあり、当地では話題になります。ロサンゼルスにはライトハウスやhttp://www.lalalausa.com/というフリーペーパーがあるのですが、最近では広告だけでなくラーメン屋特集などが組まれることもしばしば。

                                            LIGHT HOUSEラーメン特集

私たちはここから何を学ぶべきでしょうか。
海外の市場に進出する際に大きな敵となるのは実は、市場そのものではなく、進出する側の市場に対する「既成概念」であるということがコンサルタントの間ではしばしば話題になります。

例えば、ここでお話しているラーメンの場合も同様でした。というのも、もともとアメリカ人は熱い麺を食べないとか、舌を火傷した客から訴えられるなどというリスクのほうばかりが懸念されていたので、なかなか日系の本格的なラーメンビジネスの進出は成功してきませんでした。

確かに訴訟王国のアメリカでは日本人の神経からすると考えられないような訴訟の例が実在します。例えば、某大手ハンバーガーチェーンのコーヒーが熱かったといって、訴訟に発展したケースなどは特に有名です。しかし最近ではそうした一見理不尽に見える訴訟は影を潜めてきています。ようやく「常識」が浸透したのかと、私なんかは思ってしまいますが、結局世界中の半分以上を占めるほどいると言われている弁護士ばかりが儲かるのだということに気づいた人が増えてきたのかも知れません。

そういうわけで、いざラーメン屋が出始めてくると意外にアメリカ人のお客さんが多く、恐れられていたような訴訟の例なども見当たりません。そして、その結果もともとラーメンのような「ヌードルスープ」を食べる習慣のあった中国系やベトナム系はさておき、白人や黒人もおいしいラーメンに舌づつみを打つような光景をよく目にするようになりました。中にはラーメンのお持ち帰り(To GoあるいはTake out)をする人などもいて、驚かされることがあります。よく考えてみると、即席カップ麺で有名な日清(アメリカではNISSHIN)の代表製品であるカップヌードルもビーチなどでよく見かけられたのです。

ところで最近同社はインドにも本格参入したとされています。インドにはもともと麺を食べる文化がなかったので、それが逆に効を奏したとされています。マーケティングを学ぶ際に、アフリカに靴を売りに行った営業マンの話をお聞きになったことはないでしょうか?それを見て、落胆した営業マンと、100%の市場可能性があると歓喜した営業マンがいたという話は未知の市場に対する「既成概念」との取り組みについて、大切な教訓を私たちに教えてくれます。

前置きの方が長くなってしまいましたが、この次に来るのは何かと最近こちらで話題になっているのがお好み焼き屋さんなのです。実はJapanese Pizzaなどと呼ばれるお好み焼きはもともと、野菜嗜好で健康的、安価でありアメリカを代表するファーストフードであるピザと同じ感覚で食することができるなど、アメリカでの成功の可能性が高いと噂されていました。しかし、熱い鉄板を使うということで、ラーメンよりも更に敷居が高かったのか、関西人が多く住むロサンゼルスにさえごくわずかしかお店が存在しませんでした。それが今年に入って少しずつ数を増やしています。

                                      「どやどや」のお好み焼き

鉄板をアレンジして、店内で調理したものをアツアツで出しています。

そして、いよいよ俳優の伊原剛志さんが運営する「ごっつい」というお好み焼きチェーンがウエストロサンゼルスにオープンしました。

                                ごっつい WLA店


寿司文化が流行った時にはわさびや醤油といった周辺の食品もブームに便乗して売上を伸ばしました。寿司ブーム自体、アメリカで苦戦していた醤油メーカーがかなり後押しをしてしかけたブームだと言われているほどです。このような新しいブームを見極める際には、周辺産業が盛り上がるということも十分に加味しておく必要があるでしょう。







北米に押し寄せる電気自転車の波

 
みなさんは電気自転車あるいは電動自転車と聞くとどういうイメージをお持ちでしょうか。

私が学生の頃、地元でそれを見かけたことがある。それはこんな感じでした。
                                

あれから時は流れ、今流行の乗り物といえば電気自動車。中でもトヨタのプリウスは世界中で大ヒットとなり、ハイブリッドカーの代名詞と言っても過言ではないほどの存在に。
私が住んでいるカリフォルニアでは車は生活の必需品、しかしガソリンの値段は高騰する一方で最近では1ガロン当たり4ドルを超えてもみんな驚かなくなりました。私が学生をしていた頃にはこれが1ドル以下だったのですから、4倍以上に膨らんでいる計算になります。これでは省エネのハイブリッドカーに国民の意識がいくのも当然のことと言えます。

さて、そんな中、どうやら電気自転車も新たな世代として生まれ変わっているようです。下の動画は北米最大の家電量販店ベストバイで販売されている電気自転車です。
スタイルが洗練されていることに気づかれるでしょう、そして、注目すべきは後半にでてくる自転車たちです。
                                 
                                 動画はコチラ


価格は300ドルくらいの廉価版から高いものでは1000ドルを超えるものまで。
先日NYの某展示会に出展した際にも、ヨーロッパからの来訪者の方々が電気自転車の話をされていましたし、アメリカでも取り扱う店が増えてきているようです。
ガソリンの高騰により、ちょっとしたお出かけに車を使いたくないという方が増えているのかも知れませんね。

ネットでebike、smartbike、electric bikeなどと検索するといろんなタイプがあることがわかります。NYなどの市街地では折りたたみ自転車が流行していますが、電気自転車でもそういうのがあるみたいですね。私が展示会で欧州の方から「電気自転車」と言われた時、頭の中に思い浮かべていたものと実際に市場に出回っているものはまったく異なる代物でした。こんな風に、海外の市場を考える時には自分がもっている知識の枠に捕われないようにすることが重要ですね。                                 
                                
                                

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