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  • 2012.06.06 Wednesday
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アメリカの書店事情 業界二位でも倒産!

 全米第二位の規模を誇った書店チェーン、Borders (ボーダーズ)Group は米国時間2011年2月16日、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用をニューヨークの裁判所に申請しました。負債総額は12億9000万ドルに上ります。もはや時代遅れの感のある大手書店が倒産したというニュースは、多くのアメリカ人にとってそれほど想定外ではなかったでしょうが、それでもやはり全国に500店舗を有していた、それも「本屋」という古典的で硬いイメージのある業界の大手にまで不況の波が押し寄せているのをひしひしと感じた方は多かったと思います。

実はボーダーズを襲った波は不況の波だけではありませんでした。2006年に倒産した音楽業界の古豪タワーレコードの例に漏れず、出版業界においても「電子化」という波への対応を余儀なくされていたのです。ここでの電子化の最初の波はオンライン書店「アマゾン」が作った波でした。アメリカには書店はそれほど多くなく、車でそれなりの距離を移動しなければなりません。また日本の本に比べてアメリカの本は大きくて、紙の質もあまりよくありません。それを当時勃興していたインターネットを使って全米中に販売するという手法で、多くの人々にオンラインショッピングを体験させ、その素晴らしさを実感させるに至りました。

そして、ここ数年アメリカを賑わしている「電子ブック」の波もまた、このアマゾンという画期的な会社が創り上げた「Kindle(キンドル)」という電子ブックリーダー端末とその端末用に作られたKindle Store(キンドルストア)という電子ブックストアの影響によるものでした。

全米第一位の書店チェーンといえばBarns&Nobles(バーンズ&ノーブルズ)です。実はボーダーズが倒産するきっかけは2つありました。一つはB&Nがキンドルに対抗して果敢にも自社ブランドの電子ブックリーダー「Nook」を製造したことです。ボーダーズは、これに対して自社端末を開発するというリスクを犯さず、別の方法を選びました。独自開発ではなくKoboというAndoroid ベースの格安端末を販促するようにしたのです。このリーダーは現在は99ドルで売られ、端末の低価格化を加速させました。しかし、それは結局大きな回復策には成り得ませんでした。一方アマゾンは独自路線で、コンテンツを増やし、質が高くて割安な端末を市場に徐々に供給し続けました。

もう一つの大きな動きは昨年末におきました。実はボーダーズはB&Nに対して買収交渉をもちかけたというのです。北米のみならず世界中で新聞社もこの電子化に苦戦を強いられているビジネスですが、アメリカでもご多分にもれずインターネットと電子化の波は大手新聞社の収益に大きな影響を及ぼしています。売上の縮小に苦しんでいたボーダーズは外資系企業と提携して逆に業界一位のB&Nを買収して生き延びようと考えました。しかし、これは結果的には大失敗に終わります。一方B&NはNook(ヌック)という独自の電子ブックリーダーを出して果敢にアマゾンを追随します。当初は不評でしたが、意外によくできたリーダーで最近では市場での評価も高いようです。

だだっ広い店内には椅子も配置
店内に設置された電子ブックリーダー用ストア カバーなどのアクセサリーも

「インターネットと電子出版の波に出版業界が勝てなかった」
一般的にはこのような見方がされていると思いますが、日本とアメリカを行ったり来たりしている私には、また違う構図が見えてきます。日本では電子出版は遅れているのですが、正直日本、特に首都圏から書店が無くなるとは到底考えられないのです。というのも、社会人の大半は公共交通機関で通勤しており、その通り道に書店が都合よく配置されているからです。そして、日米の書店を比較してみて明らかなのはアメリカの書店のフロア面積と蔵書数の比率が日本に比べてはるかに低いということです。

子供向けコーナー 読み聞かせも
子供向けコーナーの様子

アメリカの書店にはスターバックスなどの喫茶店が入っており、顧客は本を買わずとも立ち読みならぬ「座り読み」をすることができるほどです。学生が勉強のために長居することも少なくないですし、子供たちが床に座って(最近北米でも流行している)マンガを読み続けているという光景を見ることも少なくありません。またアメリカの本屋では日本の委託と異なる買取制度や再販制度に守られないためのディスカウント合戦などが繰り広げられていて、本を書く方も、出す方も、また売る方も儲からないという構図になってしまっていたのです。

CD&DVDコーナー
CD&DVD販売コーナー

実は書店を潰したのは電子化の波、ではなくて、「効率化の波」だったのではないでしょうか。めまぐるしく進化するビジネスの潮流の中で書店はインターネットや電子出版を捉えた上で自身のビジネスモデルを見つめ直す機会を与えられているだけなのかも知れません。しかし、そういう考え方をもとうとすれば自らが生まれ育った文化とは違う視点をもつことも重要だと思う今日この頃、私は密かに日本の企業が倒産の危機にある全米大手の書店チェーンを買収して、一気に自社ブランドを広く浸透させるために数百店舗という立地を有効活用するということを夢見ていました。もちろん、フロアプランについても大きく見つめ直し、例えば携帯ショップやゲーム、アクセサリに飲食など総合的に採算の上がるビジネスプロデュースを仕掛ける必要もありますが、それができるのは案外本に親しむ文化をもった教育水準の高い日本人なのかも知れません。


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