スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • 2012.06.06 Wednesday
  • -
  • -
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

ファーストフードチェーンも参入、カフェ市場

日本で「アメリカン」と言えばコーヒーの代名詞というくらい、アメリカ人はコーヒー好きという印象があります。
しかし元々欧州や日本には長い間存在した、コーヒーを中心とする「カフェ」市場は、実はアメリカではスターバックス(開業は1971年シアトルにて。テイクアウトとエスプレッソを中心とした現在の形態になったのが1986年)登場以来と、歴史はそう長くありません。ちなみにファーストフードの雄、マクドナルドはカリフォルニア州のサンバーナディーノにて1940年に第一号店が開業しています。

コーヒーハウスチェーンに加え、近年マクドナルドもマックカフェで、グルメコーヒー飲料を中心としたカフェ市場に力を入れているが、これにバーガーキングなど、他のハンバーガーチェーンも参入中です。


米マクドナルドのウェブサイト上の商品案内。清涼感たっぷり


2007年に日本再進出を果たしたバーガーキングは Seattle's Best Coffee というグルメコーヒーを提供しています。すでに大成功を収めているスターバックスのコーヒーよりも、安価な類似品を提供することで、消費者への訴求力を強くしています。アメリカでは日本ほどデフレ感が強くはないのですが、この不況下では価格はやはり大きなセールスポイントです。アメリカ人は大のコーヒー党が多いので、コーヒーの味に拘る方が多いようです。
また、全米の多くのマクドナルドではWiFiが無料で使えるようになっているなど、競争力向上に力を入れています。商品の多角化、付加価値的サービス、徹底した価格的訴求力、というのが競争の柱となっているのは、何もアメリカに限ったことではありません。
日本でも、牛丼から豚丼、朝の定食の拡充、安価な価格設定などでしのぎを削っている和食ファーストフード店吉野家と松屋などの価格競争が、これに似ています。



バーガーキング内のコーヒーについての看板


ただ、クリームと砂糖たっぷりのコーヒー飲料はカロリーもたっぷり、一杯で500カロリーまであるのでご注意を。ちなみにアメリカの大手フランチャイズ飲食店では製品のカロリーなどが全て公開されている。スターバックスの製品についてはコチラをご参照ください。
私はアメリカ暮らしが人生の半分くらいになりつつありますが、無料でいくらでもおかわりができるソーダや、砂糖たっぷりのコーヒーに子供たちを慣れさせるのにはやはり抵抗があります。小児糖尿病が多いのもアメリカ社会の問題の一つですので、また機会があればそれらも取り上げたいと思います。


日本で躍進するHULUに学ぶ海外進出への勝機

 皆さんはHULU(*フールーと発音)というサービスをご存知でしょうか?

HULUはアメリカで大人気のインターネット動画視聴サービスです。
これまではネット上の動画視聴サービスや動画の共有サービスというと、とかく違法アップロードの温床になっていた感があります。実際、今年の1月にはファイル共有サービスでは大手のメガアップロード社が、FBIによってサービスと資産を差し押さえられてしまうという事態が発生し、アメリカのみならず世界中のネット関係者を驚かせました。理由は著作権違法違反です。(米史上最大級の著作権侵害摘発!FBIがMegaupload閉鎖、運営者8人を逮捕

メガアップロード
メガアップロードのトップページはFBIによって差し押さえられた

インターネットやデジタルメディアの普及により、広告収益は減少傾向にあり、テレビや映画などのコンテンツがネット上でも廉価、あるいは無料で見られるようになりました。私が小さい頃はVHSのビデオ一本で14800円とかしてたものですが、もうコンテンツにそんな値段を出す人はいませんね。

アメリカでもタブレット端末やスマートフォンなどの普及により、インターネット経由で動画を見たい人の数は飛躍的に増えています。これに対してREDBOXなどの自動販売機型レンタルビデオサービスが売上を伸ばしており、従来のブロックバスターのようなレンタルビデオ店舗は影を潜めています。

そんな中で業績をじわじわ伸ばしてきているのが、HULUです。HULUは立ち上げ当初から一貫して、正規ライセンスのあるコンテンツのみを提供してきました。競合サービスはJOOSTなどを含め、いくつかありましたが、結局市場競争を制したのは正規ライセンス作品と有料制にこだわったHULUだったのです。



HULU
HULUのトップページ

このHULUは昨年9月から日本にも上陸してきています。
最初の1ヶ月は無料、それ以降は1,480円で映画や米人気テレビ作品などが見放題となっています。日本での立ち上げ交渉はかなり時間がかかっていたようですが、最終的には日本がこれに参加したことで、海外の視聴者もHULUで日本の作品を視聴できるようになりました。

このHULUの素晴らしいとこらはマルチデバイス対応だというところです。
PCだけではなく、今日本でも普及の目覚しいスマートフォンやゲーム機、タブレットなどでもアカウントを共有して視聴することができます。好きな作品を手軽にどこでも見られる便利さは多くのユーザーを虜にしているようです。また海外作品を多く見ることができるということで、英語の学習にもなると喜んでいる人々もいます。


HULUのマルチデバイス対応
HULUのマルチデバイス対応

電子出版ではアマゾンがキンドルという電子ブックリーダーを出して話題になりました。アップルはアイフォーンやiPad、Apple TVという製品で多くのユーザーを世界的に囲い込んでいます。ソーシャルメディアの世界ではフェイスブックやYouTube(現在はグーグルの参加)が勢いを伸ばしています。日本の企業が一昔前のように、世界に進出していく例は最近影を潜めているような気がしてならず、海外に住んでいると何だか残念に思うことが多いのです。
扱っているものが製品であろうとサービスであろうと、それぞれの分野で成功している企業から何を学んでいけるかが、内需縮小の日本依存から脱却して世界で市場を獲得できていけるかのカギだと思う今日この頃です。

フェイスブック上場に見るアメリカ起業家のスケール感

 世界で8億人近いユーザーを抱えるとも言われているソーシャルネットワーク(SNS)の世界最大手であるフェイスブックが上場申請をしたことが話題になっています。
若き天才、のぞく野心 フェイスブック、上場申請(朝日新聞)

創業者のマーク・ザッカーバーグはまだ27歳。映画「ソーシャルネットワーク」でその起業にまつわるエピソードが紹介されているのをご存知の方も多いと思います。このザッカーバーグ氏は公開申請に際して、米証券取引委員会に書簡をしたためたそうです。その中にあるこのメッセージが読むものの心を打ちます。

「フェイスブックは、もともと『企業』になるためにつくったわけでない。世界をより開かれた、よりつながりの強いものにする社会的な使命を達成するために設立したのだ」

これは、フェイスブックだけに限ったことではないですが、北米ではIT関連のスタートアップ企業が乱立していて、VC(ベンチャー・キャピタル)などからの資金調達を競っていますが、アメリカのVCはよく「ビジョンに投資をする」と言われています。まだうら若きグーグルの創業者にポンと10万ドルの小切手を渡したエンジェル投資家の存在が、今や世界的大企業となったグーグルの誕生を支えました。よって、近年ではビジネスプランそのものよりも、その経営者がもつビジョンの大きさを競うような事態にも発展しています。ハーバード大学在籍時に立ち上げたサービスを世界一のものに成長させた、ザッカーバーグ氏のビジョンはやはり大きなものだったと言わざるを得ません。これはIT業界における成功の先駆者であるビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズらによっても、成功の王道として示されてきました。

ここで業績についても初めて公表されています。2011年の売上高は前年比2倍近い37億1100万ドル(約2950億円)、純利益は前年の1.6倍の10億ドル(約795億円)は堂々たるものです。時価総額は、1000億ドルとも推定されています。これは現在の為替レートでは日本では例えば一位のトヨタと二位のドコモの間に位置する規模になりますが、円安だったら一気に日本一の規模になる可能性すらあります。

最近は日本でも、IT系を中心にノマドと呼ばれる自由なワーキングスタイルで起業をして、世界進出を目論む若者も増えてきました。彼らはアメリカを行脚してエンジェルや投資家にあったり、テック系のイベントに参加するなどして盛んにビジネスチャンスをアピールしています。私もそんな若い日本人起業家のプレゼンに触れる機会が多くあります。残念ながらまだまだそのビジョンは世界規模のものとは言いがたい場合が多いですが、私が若かった頃とはまったく違うスキルとグローバル・マインドには驚嘆させられることがあります。

もちろんITに限らずとも、まだまだ世界を狙える日本企業は多いと思いますし、これから人口が減少して国内市場も縮小していく日本の企業にとっては、海外に活路を見出すことは死活問題に発展する可能性が十分にあります。
海外を目指す企業の皆さまには、ぜひともこのマーク・ザッカーバーグの手紙をご一読頂くことをオススメいたします。


伝記も人気です。



日米電源事情 〜損して得取れ?〜

 10月14日に世界同時発売されたアップル社のiPhone4Sは創業者のスティーブ・ジョブズ氏が今月亡くなったことも受けて、世界で400万台を売り上げる(日本でも100万台と報道)という大人気です。
iPhone 4Sは3日で400万台販売、iPhone 4の2倍以上(日本経済新聞)

iPhone4S
米アップル社のウェブサイトより

日本でもソフトバンクに加えてAUから発売され、日本全体でiPhoneのようなスマートフォン(多機能携帯端末)が大ブームになっています。アプリが使えたり、ソーシャルゲームができたり、動画が見れたりと充実した機能が売りですが、頭が痛いのは充電。私のように出張が多い人間は昔からモバイラーと呼ばれていましたが、携行する端末がどんどん増えていくので一緒に充電器なども増え荷物がどんどんかさばっていくのに悩むことがあります。

例えば、私の場合、下記のようなものを毎回持ち歩くことになります。
米国用携帯電話x2
日本用携帯電話
ノートPC
電子書籍端末(Kindleなど)
WiMAX端末(国内接続用)
(子供と旅行する際にはこれ以外にもMP3プレイヤーや携帯ゲーム機なんかも増えます)

インターネットは世の中を便利にしましたが、それと同時に人々は電気がないと日常生活に支障をきたすようになってしまったというのは何とも皮肉なものです。
特に飛行機に乗るような長距離の出張では、待ち時間を持て余すこともあり、その間に仕事ができないことはビジネスマンにとっては死活問題。空港のラウンジが利用できるようなステータスをもっている方はいいですが、そうじゃない方はゲート付近で電源を探します。

そんな現象に目をつけたのが韓国のサムスン電子。今や米国の空港では下記のような充電スタンドがあちこちに配置してあり、旅行者を助けています。サムスン側は電源を提供することで広告スペースを獲得しており、利用者、空港、そして広告主側の三方にメリットがあるようになっています。


充電器に群がる利用者


新製品のディスプレイとしても活躍 認知度向上?

日本では震災の影響もあり、節電モードが続いているのでこのような企業活動はネガティブな印象を生むかも知れませんが、個人の消費電力がインターネットと携帯端末の増加によってどんどん増えていっているのは日本でもアメリカでも変わりありません。
最近は不況で消費が増えこんでいるのですが、トヨタのハイブリッド車が世界的大成功を収めていたり、太陽電池が注目を集めているように、電気関連のグッズでは新製品がたくさんでてきています。

ケーブルではなく、マットの上に置くだけで充電できるPOWERMAT製品もよく売れています。

置くだけ充電

この視点で日米の街並みを眺める時に感じる大きな違いは喫茶店での電力事情です。
アメリカ最大手のスターバックスコーヒーでは、学生やフリーランスの方が勉強や仕事の場として利用することを熟知していて、積極的にそれをサポートしています。具体的には、無料でWiFi(無線インターネット)を供給したり、作業しやすいテーブルを増やしたり、可能な限り電力を供給できるようにコンセントの数を増やしたりという感じです。ソファー席のところには足元にコンセントが配置してあり、遠くからケーブルを引き回すことで他のお客さんがつまづいたりするトラブルを防ぐような配慮もなされているのには驚きです。しかし、最近は不況のせいで、ホームレスが席を陣取ってインターネットに興じるという風景を見ることもあり、無制限な利用が本当にいいものかどうかと考えることもあります。


スターバックスは弱者の味方!?

一方日本では、回転を重視するということもあり電気をお客さんに使わせることはまだまだ奨励されていないようです。もちろん日本の都会での生活は忙しいものなので、訪問客もそんなに時間を過ごせないと思うし、混雑時には他のお客さんの邪魔にもなってしまうので、工夫がいるとは思いますが、スマートフォンや電子端末の普及と電力に、ちょっとしたビジネスチャンスが潜んでいるのかも知れませんね。最近では東海道新幹線「のぞみ」で座席の横に電源がついていたり、インターネットサービスを始めたりと工夫をしているのは米スターバックスの姿勢に通じるのかも知れません。

「損して得取れ」という戦略が通用するところがあるような気がします。






米国進出の際のビザ取得について

 日本から米国に企業が進出する際に、どこでも悩むのが人材雇用の問題です。
今回は海外の人材雇用でいつもつきまとうビザの問題について、アメリカの事情をお伝えしたいと思います。

米国(あるいは北米)に進出しようとしているのですから、もちろん現地の人材を雇用しながらビジネスを進めていくことになります。ビジネスに人の問題がつきまとうことは周知のことですが、やはり海外に初めて進出する際に文化や言語の異なる現地人を雇うことはなかなか難易度の高いことです。

結果的に、多くの場合日本の社長、あるいは英語のできる人材(このパターンが多い)か、海外営業に特化して国内で採用された人材を責任者として海外の新拠点に責任者として派遣することが度々あります。

しかし、米国で外国人が就労するためにはビザ(査証)が必要になります。このビザ申請は企業単位で行うのですが、ビザによってはアメリカでまずビジネスをそれなりに回すことが要求されます。しかし、営業責任者が不在の環境では売上を上げるというのも難しく、まさに「にわとりと卵」の状況が起こることがよくあります。

下記にアメリカで用いられる就労用ビザの代表的なものを紹介します。

H-1Bビザ 専門職に従事する人材のためのビザ(要大卒)
E-1ビザ 米国と通商条約を結んでいる国の貿易業者用ビザ
E-2ビザ 米国と通商条約を結んでいる国の投資家用ビザ
L-1ビザ 多国籍企業の派遣社員(大企業向き)
B-1ビザ 商用あるいは韓国を目的とした短期滞在者

H-1ビザ (専門職用ビザ)
一般的にアメリカで働くために利用されるビザはH-1ビザと呼ばれるものです。
しかし、このビザの取得には大卒の資格が必要とされ、職種と専攻がマッチしている可能性があります。留学生が現地でそのまま就職する場合には、このビザがよく用いられますがこれは日本から派遣される人材にはあまり適していません。(就労開始時期が10月1日と決められていることなど、制約もあります)

E-1とE-2ビザ 通商ビザ(貿易業者/投資家ビザ)
一方E-1ビザとE-2ビザは「ミニ永住権」と言われるほど優遇されたビザで有名です。一般的に5年発給され、企業が存続する限りはほぼ無期限に更新できます。(会社の情報などを定期的に当局に対して更新する必要があります)E-1ビザは日米の会社間で米国子会社の仕入れの50%以上の取引が発生することが前提とされますので、製造メーカーなどが米国に販売拠点を利用する際などに便利です。
一方E-2ビザはそのような制限がないので、サービス業やその他の業種の会社に用いることができます。一般的には投資に対するガイドラインが儲けられており、ビザを申請する際に米国拠点がそれなりに立ち上げられ、商流が確立されお金がそれなりに流れていることが前提条件となります。また、E-1もE-2も基本的には管理職の人材に対して発給されるビザであることも留意しておく必要があります。

L-1ビザ (多国籍企業駐在員ビザ)
L-1ビザは、別名Intra-company Transferee Visa と呼ばれ、主に大きな規模でビジネスを世界に展開している多国籍企業が、米国内の子会社、親会社或いは傍系会社に経営管理者や特殊知識を有する社員を派遣する際に利用されるビザです。また、Eビザと異なる点が、このビザは「駐在員」のためのビザであることです。ビザの対象となる社員は申請直前の3年間のうち最低1年間は、派遣される元の(日本)企業あるいはその関連企業の従業員として、役員・管理職あるいは特殊知識職のいずれかとして雇用されている必要があります。

B-1ビザ (短期商用ビザ)
B-1ビザは、出張や会議への出席など、ビジネスの立ち上げを主目的として、短期間、米国を訪問する者に発給されるビザです。(ちなみに現在、日本人が米国を90日以内の短期間訪問する場合は、一部の例外を除いて、特別にビザの申請をする必要はありません)
このビザでは毎回最長六ヶ月間しか滞在することができないのでご注意ください。

上記以外にも永住権(通称グリーンカード)申請という方法もあります。米国に永住を希望する者も多いので、企業の永住権スポンサーは雇用者に対するインセンティブにつながることもあります。ビザの申請には予想外に時間がかかることもありますので、申請前に事業プランを立ち上げる際にある程度中に盛り込んでおくことが重要です。なぜなら派遣する予定の代表者のビザの発給が遅れることで、事業展開そのものが遅れてしまうということも十分にありうるからです。手続きを誤り、ビザの発給が拒否されたりすると遅延するだけでなく、費用面でもロスが増えてしまいます。

アメリカではビザ以外にも人事面でも日本と大きく異なる点があり、注意が必要です。これらの点については、また機会を改めてブログでお話ししていきたいと思います。

*このブログは法律的な助言をするものではありません。実際のビザ申請の際には信頼のおける移民弁護士を通してご相談の上、申請手続きをされることをお薦めいたします。


温故知新 〜 日本の強みを再発見してビジネスに活かす方法

 私は仕事柄毎年日本とアメリカを年に7〜8回往復します。その際に、日本人としての視点とアメリカ在住者の視点で、それぞれ別の国を眺めるように心がけています。単純で当然なことなのですが、海外生活が長くなると逆に日本人の視点を失うことがあります。これではビジネスチャンスを逃すことになりかねません。言うまでもなくビジネスの基本は「ニッチ」を探すことです。なので、日本に出張している期間は私にとっても新しいビジネスチャンスを発見する貴重な時間なのです。

興味深いことに、海外在住経験が長くなってきている私が感動するような日本独自の技術や特有の文化というのは意外と国内では理解されていません。日本ではそれが当たり前なのだから仕方がないとも言えるのですが、ここに何となく日本の企業が海外進出に成功できない、あるいは積極的でない理由があるような気がしてなりません。

ところで私が日本の空港に着いて、毎回することがありますが、それが何かお分かりでしょうか?
それは、ごく簡単なことで、毎回空港の自動販売機で飲み物を買って飲むことなのです。それは同じ飲み物であることもありますし、違う場合もあります。好奇心旺盛な私は毎回自動販売機に並ぶ新製品を試してみたくてしょうがなくなります。喉が乾いているという理由以上に、この新製品探求への欲求がこの行為を率先していると言っても差し支えないでしょう。

それほど日本の自動販売機文化というのは成熟していると思います。一方、アメリカでは飲料水などの従来型の自動販売機自体がどんどん減ってきています。最大の理由は不況だと思います。つまり、治安や防犯上の問題です。日本からの来客がある時に、よく驚かれるのですがアメリカでは自動販売機の多くが厳重な檻の中に入っています。そして、機械も古臭いもので故障していることもしょっちゅうです。(公衆電話などもひどいもんでしたが、こちらに関しては携帯電話の普及からか、最近はほとんど姿を見なくなってしまいました。もちろん日本でも同じですね)

                         アメリカの自動販売機


最近では駐車場のコインメーターなんかでもカードが使えるようになってきたアメリカですが、自動販売機については電子マネー化が進むというよりは減少の一途にあるようです。もっとも、ロサンゼルスでは一般的に人々は車で移動しますし、いたるところにウォルマートのようなスーパーやマクドナルドなどのファーストフード店があり、飲み物は安く手に入りますのでそもそもの需要が少ないのかも知れません。(ところで、アメリカのファーストフード店では一般的にソーダは飲み放題なのに驚かれる方が多いです)

日本はもともとロボット文化に秀でていると言われています。日本人の指の細かさや、改善運動に見られる品質への徹底的なこだわりは、まさにこのロボットに活かされるということでしょう。自動販売機もある意味ロボットみたいなものですから、歩行者の多い日本で自動販売機が流行るのは頷けます。

今回私が日本を訪れて何より一番驚いたのは、最近試験的に導入され始めた全液晶型の自動販売機です。東京近郊ではそれなりの数が導入されているようですが、地方の方はご存じない方も多いのではないでしょうか。この自動販売機が前に立った人の顔を認識して、それに応じて製品を推薦するということを聞いた時には、流行りものに敏感な私も「ここまで来たか!」と唸らされてしまいました。

                       液晶搭載自動販売機


この自動販売機、外国人観光客がびっくりする光景をよく見たのですが、日本人である私が驚くのですから、彼らが驚くのもまったく自然なことだと思います。正直、消費電力とスペースに少し疑問を感じなくもないのですが、その辺りも精緻に計算されてできているのでしょう。

これに対して、最近アメリカで浸透しつつある新型の自動販売機は下記のようなもので主に空港で設置されています。確かに空港ではさすがに自動販売機を盗まれたり、破壊されたりする可能性はかなり低くなりますよね。

                       BEST BUY


どうでしょう、何かビジネスの芽を感じ取ることができましたか?ビジネスに重要な、「比較」という視点をうまく活かすには、自身の偏見を取っ払うことが重要な場合が多いと私も常々考えるようにしています。時にはそのヒントは古いものの中に潜んでいることもありますよね。

アップルが時価総額1位の企業に!

 2011年8月10日は多くの人にとって、記念すべき一日となりました。そう言ってもピンと来ない方が多いと思いでしょう。これは何の日かというと、ニューヨーク証券取引所の終値において、スティーブ・ジョブズ率いるアップルの時価総額が株価で石油会社最大手のエクソン・モービルを抜いて、一位になった日なのです。まさにその栄華の極みにあると言えるでしょう。

ちなみに同日の終値をベースにした時価総額上位5社は下記のようなものです。

1位   Apple 3363億ドル
2位   Exxon 3351億ドル
3位   PetroChina 2189億ドル
4位   Microsoft 2041億ドル
5位   IBM 1969億ドル

現在は円高傾向にありますので、1ドルを80円と換算してみても、アップルの時価総額は実に27兆円となります。これはざっくりと計算して、東証での時価総額ランキング上位5社分(トヨタ、NTTドコモ、NTT、キヤノン、三菱UFJ)にほぼ匹敵する金額*です。
*2011年8月29日時点での金額

以前はWindows OSという画期的なソフトを開発して世界にパーソナル・コンピュータを普及させるのに尽力したマイクロソフトが同じように隆盛を誇っていましたが、現在はアップルがそれを上回る規模の成功を見せています。株価を見ても、両者の間は大きく開いてきています。10年前に誰がこのような事態を予見できたでしょうか。

しかも、二位に甘んじたエクソンモービル社の業績も決して悪くはないのです。同社の前年度の売上は前年比21%増の3830億ドルで、営業利益は400億ドルに上ります。一方 躍進を続けるアップルの業績もうなぎのぼりで売上は対前年比63%増の760億ドルを達成し、営業利益も210億ドルと非の打ち所がありません。
この二社を比較するとアップルはエクソンモービルに比べ、売上伸長率が3倍あり、営業利益の対売上比率もはるかに高いということが分かりますので、これらが高く評価されたと思われます。株価は最高値で400ドルを超えましたが、以前スティーブ・ジョブズが病気による療養を発表した際には90ドルを割り込むところまで下がっていたことを考えると、驚異的な成長率です。

                                          Steve Jobs


ところが、またしても市場はアップルに驚かされることになります。これまでアップルのモノづくり、そしてビジョンを牽引してきたスティーブ・ジョブズがCEOから退き、会長に就任することを発表したのです。この発表は8月24日に行われ、市場を震撼させました。これが原因で、アップルの株価は少し乱高下を続けています。ジョブズ亡き後のアップルに対しての評価が分かれるということでしょうが、後任のティム・クックを後押しすることは間違いなく、これといったライバルがいない今のアップルの天下はもうしばらく続きそうです。

このようなアップルの大躍進を支えてきたスティーブ・ジョブズの経営方針やビジョンから多くの経営者がいろんなことを学び取ろうとしています。アップルは何度も破綻の危機に瀕した会社であることをご存知の方は多いと思います。マイクロソフトのWindowsが市場を謳歌していた時、アップルOSはニッチに過ぎませんでした。しかし、iPod という画期的な音楽プレイヤーで一世を風靡してからのアップルは、インターネットを通じてハードとソフトを融合して独自のプラットフォームを築きあげる独自の「垂直統合」戦略を推進してきました。当時は誰もアップルの、いやジョブズの野心には気づきもしなかったでしょう。

それが具体的なものとなったのは、マックブックの次に続いたiPhone(アイフォーン)だったことは歴史が証明しています。そして、この波は今や日本にも空前のスマートフォンブームとして流れてきており、日本はこれまでのような「ガラパゴス携帯(ガラケー)」から脱しつつあります。アップルはさらに、その波に追い打ちをかけるように、iPad という画期的なタブレット型端末も発表したのもご存知の通りです。まるでアップルの動きを世界が追いかけているかのようです。

                                iPhone & iPad
    



グローバル経済の波はインターネットによって大きく加速され、今や国内市場も世界市場と密接に関わってくるようになってきました。波に飲み込まれないようにするだけでも精一杯という企業が多いと思いますが、うまく波を乗りこなすためには、常に世界の市場に目を向けておく必要がありますが、この中でやはり米国を含めた北米市場は見逃せません。

例えばインターネットの世界では日本にもフェイスブックという世界最大手のSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)が浸透してきているところですが、これもアメリカの若き起業家によるものです。世界の市場の中でもトレンドセッターとして北米が占める役割というのはまだまだ大きいものだということがよく分かります。北米の企業と起業家精神、テクノロジーの趨勢にアンテナを向け続けながら、人口の多いアジアの動向をうまく見極めることが今後の世界市場を把握していく上で重要なのではないでしょうか。







| 1/1PAGES |

PR

海外市場調査,市場開拓のハローG

calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2024 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

profile

profilephoto
  

search this site.

others

mobile

qrcode